「エルヴィス・プレスリーの曲がAI学習に無断使用された」と60億円超の損害賠償をAnthropicに求める訴訟が提起される
エルヴィス・プレスリーは「キング・オブ・ロックンロール」と称される伝説的ロックスターであり、記事作成時点でも根強い人気を誇っています。そんなプレスリーの著作権を所有する企業や団体が、Claudeを開発するAnthropicがAIモデルの学習にプレスリーの楽曲を無断使用したとして訴訟を起こしました。
Elvis Presley AI Lawsuit: Anthropic Sued For Stealing His Music
https://www.billboard.com/pro/elvis-presley-estate-sues-suno-anthropic/
Anthropic sued for allegedly using 274 Elvis Presley songs to train AI models | US news | The Guardian
https://www.theguardian.com/us-news/2026/oct/25/elvis-presley-anthropic-lawsuit-ai-models-music
Elvis Presley’s rights holders sue Anthropic, saying it trained AI on his music
https://www.nbcnews.com/tech/tech-news/elvis-presleys-rights-holders-sue-anthropic-saying-trained-ai-music-rcna605551
プレスリーの楽曲や肖像権を管理するAuthentic Brands Groupの一部門は2026年10月23日、同じくプレスリーの権利を所有する他の複数の団体と共同で、「Anthropicは著作権で保護されたプレスリーの楽曲274曲を無断でAIモデルの学習に使用した」として訴訟を起こしました。
今回の訴訟でAnthropicに無断使用されたとされるプレスリーの楽曲には、『Can't Help Falling in Love(好きにならずにはいられない)』『All Shook Up(恋にしびれて)』などのヒット曲が含まれています。
原告は訴状の中で、「AnthropicのAIモデルである『Claude』は開発当初から、インターネット上で入手可能なほぼすべての楽曲カタログを元に、著作権を侵害する楽曲を生成してきました」と主張。侵害された楽曲1曲につき15万ドル(約2370万円)、合計4100万ドル(約64億7300万円)の損害賠償を求めています。
訴訟の主任弁護士を務めるリチャード・ブッシュ氏は、「原告団は前例のない規模で著作権侵害をビジネスモデル全体の基礎として築き上げてきた被告(Anthropic)に対し、これらの独占的権利を行使するために本訴訟を起こしました。原告団はこれらの象徴的な楽曲を深く保護したいと考えています」と述べています。
Anthropicの広報担当者は、今回の件を報じた音楽系メディアのビルボードに対し、「私たちはこれらの主張に同意せず、訴訟で徹底的に弁護するつもりです」とコメントしました。
AnthropicをはじめとするAI開発企業は、AI開発の過程で著作権者からの許可を得ずに大量のコンテンツを無断利用しており、すでに多数の訴訟が提起されています。たとえば2026年8月には、ソニー・ミュージックパブリッシング(SMP)とワーナーチャペルミュージック(WCM)が共同でAnthropicに損害賠償を求める訴訟を起こしました。
ソニーとワーナーが共同でAnthropicを提訴、楽曲をClaudeのトレーニングに利用された「史上最大かつ最も甚だしい知的財産窃盗事件」 - GIGAZINE
なお、ブッシュ氏は過去20年間で複数の大規模な著作権訴訟に携わってきた人物です。2026年8月に音楽権利ポートフォリオの管理企業・Round Hill Music FilesがAnthropicとSunoに起こした著作権侵害訴訟でも、代理人を務めています。
Round Hill Music Files Copyright Infringement Lawsuits Against Suno and Anthropic
https://www.businesswire.com/news/home/20260817457724/en/Round-Hill-Music-Files-Copyright-Infringement-Lawsuits-Against-Suno-and-Anthropic
ブッシュ氏はRound Hill Music Filesが提起した訴訟に寄せたコメントで、「これらの訴訟における問題は複雑ではありません。著作権で保護された作品は、数十億ドル(数千億円)規模のビジネスを築き上げるために利用されてきました。Anthropicは1兆ドル(約158兆円)以上の時価総額を持つ企業となっていますが、その価値の基盤を築いた作詞家や出版社は何も受け取っていません。このような利用方法に公平性などみじんもないのです」と主張しました。
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