NVIDIAが画像・動画・文章をまとめて理解するオープンウェイトAI「Nemotron 3.5 Super VL」を公開、処理コストを40分の1に削減する事例も
Nemotron 3.5 Super VLは1200億個のパラメータを持つ大規模なAIモデルですが、必要な部分だけを動かす「Mixture of Experts(MoE)」という仕組みによって1トークンを処理する際に使うパラメータは120億個に抑えられています。
以下のグラフはAIモデルの性能を示す「Intelligence Index」と文章の生成速度を比較したもの。縦軸が性能、横軸が1秒間に生成できるトークンの数を表しており、Nemotron 3.5 Super VLは毎秒600トークン以上を記録しています。同規模のオープンモデルと比較して単一のGPUでAIエージェントの処理を行う際のスループットが最大5倍に達するとのこと。
また、以下のグラフはNVIDIA B200 GPUを4基使って1万件のソフトウェア開発タスクを処理した場合の所要時間と正確性を比較したもの。Nemotron 3.5 Super VLは約10時間で1万件の処理を完了し、正確性は約51%となっています。Nemotron 3.5 Super VLは他の同規模モデルと比べて最大4倍の速さで作業を完了しました。
画像や動画を理解する能力も強化されており、グラフの読み取り能力を評価する「CharXiv」では80.8%のスコアを記録しました。NVIDIAの別モデル「Nemotron 3 Nano Omni」の63%を上回っており、Pythonを使ってグラフを分析する条件では84%に達しています。
さらに、企業が自社の業務に合わせてモデルを追加学習させることも可能です。NVIDIAはAIモデルの学習・調整用ソフトウェア「NVIDIA NeMo」を提供しており、企業独自の文書や業務手順、社内規則などに合わせてNemotron 3.5 Super VLを調整できます。
実際にAI開発企業のScale AIはエンターテインメント企業のSkydance Corporation向けに、取引先からの請求書や返金・値引きに関する書類を確認し、未回収の金額を調べる業務を自動化するモデルを開発しました。実際の業務データを使ったテストでは、追加学習後のモデルはSkydanceが運用中のAIと同程度の正確性を示しながら処理コストを約40分の1、応答時間を約5分の1に削減できたとのこと。
経費管理サービスを手がけるRampはレシート画像から店舗名や日付、支払い情報などを抽出する業務に活用しています。Rampは処理能力が最大50%向上し、処理の待ち時間が10分の1になると見込んでいます。さらにAI21とAliceがサイバーセキュリティ分野の脅威分析向けに調整したモデルでは、正確性が41ポイント向上したと報告されています。
以下のグラフは企業ごとの業務で追加学習前後のNemotron 3.5 Super VLの正確性を比較したもの。薄い緑色が追加学習前の正確性、濃い緑色が追加学習による改善幅を表しており、企業の業務に合わせた調整によって正確性が向上していることが分かります。
Nemotron 3.5 Super VLではAIの運用コストを抑えるため、文章を生成する際に複数の単語の候補を先読みする技術「LiLiCorr」が採用されており、NVIDIAの小型AIコンピューター「DGX Spark」では先読みを使わない場合と比べて文章の生成速度が最大2.3倍になるとのこと。また、AIエージェントが同じ指示や会話履歴を繰り返し読み込む際には以前の計算結果を再利用する仕組みも備えています。
多数のユーザーが同時にAIを利用する環境では、AIの処理を効率的に振り分けるソフトウェア「NVIDIA Dynamo」も利用できます。NVIDIA B200 GPUを16基使用したテストでは、1人当たりの文章生成速度を維持しながら対応できるユーザー数が最大8倍になり、回答の生成が始まるまでの待ち時間も85%短縮されたとのこと。
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