情報機関に就活生関心? 公安庁ツアー倍率10倍超
公安調査庁が催した公安調査官体験ツアーに参加する学生ら=9月29日、法務省(一部画像処理しています)
公安調査庁が国家公務員を目指す大学生らを対象に「調査官体験ツアー」を企画したところ、定員の10倍超の申し込みがあり、関係者を驚かせている。高市政権がインテリジェンス(情報収集・分析)機能の強化を進める中、就職活動生の間で情報機関への関心がじわりと高まっているようだ。
「ある国がインフラへのサイバー攻撃を企てているとの情報を入手した。とある組織の一員とみられる」。9月29日、公安調査庁本庁で催された体験ツアーで、学生に与えられた架空のシナリオだ。参加者はグループに分かれ、「ヒューミント(人的情報収集)」に挑戦。その後、情報を分析し、政府高官に報告する一連の流れを経験した。
公安調査庁によると、体験ツアーは近年の恒例。今年は昨年より募集期間が1週間ほど短かったが、15人程度の定員に200人以上の応募があった。昨年は倍率5倍程度だっただけに、同庁は「過去と比較できないほど大きな反響だ」(採用担当者)とうれしい悲鳴を上げている。
高市政権は「インテリジェンス改革」を掲げており、国家情報会議や国家情報局が7月末にスタート。情報機関を扱ったドラマや映画も目立つ。同庁はこうした流れを背景に「情報機関への関心が高まっている」(幹部)と分析している。
参加した大学3年生の男性はTBS系ドラマ「VIVANT」を見て情報活動に興味を持ったと話し、「具体的な仕事のイメージを知ることができた」と満足げ。別の大学3年生の女性は「情報を用いて公共の安全を守るのは格好いいなと応募した。緊急性の高い情報に絞って分かりやすく伝えるのが難しかった」と振り返った。
長期的に見れば国家公務員志望者は減少傾向とあって、公安調査庁の武田雅之人事課長は「インテリジェンスは政策判断に不可欠。今後ますます重要性が増す」と力説。「最前線での情報収集はやりがいがある。情報の力で国民を守りたい人はぜひ門をたたいて」とアピールしている。
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