AIのオープンモデル利用率が大きく拡大中、オープンウェイトモデルとクローズドウェイトモデルの違いは何か?
AIモデルの「ウェイト」とは、AIモデルの学習済みパラメータ、つまり「経験値」に相当する数値のことです。通常、Hugging Faceなどでウェイトが公開されている場合、誰でもモデルが実行可能です。ただし、公開されているからといってウェイトを自由に利用できるわけではなく、ライセンスは多岐にわたっており、帰属表示が義務付けられたり、大規模な商用製品の場合は事前に書面による許可を得る必要があったりします。
AIモデルは、学習済みのパラメーターを公開しているかどうかによって、大きく「オープンウェイトモデル」と「クローズドウェイトモデル」に分けられます。オープンウェイトモデルとは、学習済みのウェイトが公開されているモデルのことで、誰でもダウンロードして自分のハードウェアで実行したり、微調整したり、他の人に提供したりできます。一方でクローズドウェイトモデルはウェイトが非公開になっていて、モデルを開発した企業やライセンス供与先のクラウドサービスを通じてのみ利用可能です。
なお、オープンウェイトは「オープンソース」と同じ意味ではない点に注意が必要です。オープンソースを促進することを目的とする組織「Open Source Initiative」の定義によると、オープンソースとは研究や再構築に必要なものがすべて入手できることを意味します。AIモデルの場合には「トレーニングデータ(法的に共有できない場合はデータに関する詳細情報)」「コード」「ウェイト」が必要です。しかし、ウェイトがオープンであっても、ほとんどのモデルはトレーニングデータを公開していないため、「オープンソース」よりも「オープンウェイト」という用語の方が正確だというわけです。
以下はOpenRouterの週間トークン取引量上位50位にランクインしたすべてのモデルを、カタログエントリが公開されたウェイトにリンクしているかどうかに基づいて、オープンウェイトまたはクローズドウェイトに分類した表。2025年10月6日の計測ではオープンウェイトのトークンが1兆3000億、クローズドウェイトのトークンが3兆4000億と、オープンウェイトシェアは26.8%にとどまっています。しかし、オープンウェイトシェアは次第に伸びていき、ピークを迎えた2026年7月20日の計測では、オープンウェイトのトークンが41兆1000億、クローズドウェイトのトークンが11兆9000億と、オープンウェイトシェアが77.5%まで高まったそうです。
| 時期 | オープンウェイトシェア | オープンウェイトトークン | クローズドウェイトトークン |
|---|---|---|---|
| 2025年10月6日 | 26.8% | 1.3T | 3.4T |
| 2026年1月26日 | 35.1% | 2.6T | 4.9T |
| 2026年4月20日 | 47.7% | 8.9T | 9.8T |
| 2026年7月20日 | 77.5% | 41.1T | 11.9T |
| 2026年9月28日 | 71.7% | 83.5T | 33.0T |
オープンウェイトモデルの利用が増えている背景には、価格の安さがあります。OpenRouterが2026年10月ごろの4週間の利用量をもとに算出したトークン単価では、オープンウェイトモデルは入力100万トークン当たり0.28ドル(約44円)、出力100万トークン当たり1.62ドル(約255円)でした。一方、クローズドウェイトモデルは入力が1.27ドル(約200円)、出力が6.36ドル(約1000円)で、入出力ともに約4倍の価格差があることが示されました。価格差の大きな理由は、オープンウェイトモデルは事業者間の価格競争が激しいことが挙げられています。
ただし、価格が安価な代わりに性能面ではクローズドウェイトモデルが優位に立っています。特に、Artificial Analysisが2026年10月末に公開したAIベンチマーク「Intelligence Index v5」では、クローズドモデル首位とオープンモデル首位のスコア差が3ポイントから13ポイントに拡大し、性能差が広がりつつあることが示されました。
AIベンチマーク「Intelligence Index v5」発表、2つの新しいベンチマークと3つのアップグレード - GIGAZINE
ただし、この差はあくまで「オープンウェイトの最高モデルとクローズドウェイトの最高モデルのポイント差」であり、あらゆる作業においてクローズドモデルの方が適切であることを示しているわけではありません。OpenRouterは、オープンウェイトとクローズドウェイトには性能差があることを認めつつ、価格差が約4倍もあることから、「まずオープンウェイトモデルを利用し、各ユーザー自身のタスクでテストした上で、品質向上によって結果が変わることが確認できたステップのみ、クローズドウェイトモデルに移行してください」と助言しています。また、オープンウェイトモデルは自社のサーバーで実行できるため、機密情報を外部のAIサービスに送信せずに利用できるという利点もあります。
なお、今回のデータはOpenRouter上で利用された上位50モデルを対象にしたもので、使用状況、価格、ベンチマークの数値はすべて、OpenRouterが独自のAPIから取得したものです。そのため、AI市場全体の利用割合を示すものではないことには注意が必要です。
KioskNews shows a cleaned-up reading view extracted from the publisher’s page — the original always lives on their site, not ours.


