皮膚がんの見分け勝負で最新の汎用AIが10年前のAIに敗北
皮膚がんの専門家が、最新の汎用AIモデルと10年前に登場した画像認識AIを比較する実験を行いました。古いAIに皮膚の画像を使った追加学習(ファインチューニング)を施したところ、最新の汎用AIモデルを大きく上回る正答率を記録したそうです。
A 10-year-old CNN outperforms frontier LLMs for skin cancer diagnosis | Lynch Lab
https://lynchlab.net/llm-skin-cancer
実験を行ったのは、キングス・カレッジ・ロンドンに拠点を置き、AIやその他の手法で皮膚がんを予防する研究を行っているリンチ研究所の主任研究員、マグナス・リンチ博士です。リンチ氏は2026年10月時点で最も高性能なAIモデルの「GPT-6 Astra」と「Claude Fable 5.1」、そして2016年にリリースされたGoogleの畳み込みニューラルネットワーク「Inception v3」を使用し、人間の皮膚の画像を見せて病変を発見できるか調査しました。このうちInception v3は、6万8011枚の画像を使って20分間ファインチューニングを行いました。
そして、リンチ氏は皮膚の画像を集めたデータセットから「検査や治療を行うべき病変」と「何もせず帰宅させてもよい病変」を100例ずつ抽出し、それぞれのモデルに見せ、可能性がある6つの診断名のうちどの確度が最も高いかを答えさせました。
その結果、GPT-6 Astraは200例中84例、Claude Fable 5.1は200例中85例で正しい診断名を言い当てました。一方でこれらより10年も古いInception v3は200例中125例で正解したとのことです。
以下は75歳男性の体幹にできた基底細胞がん。3つのモデルすべてが正しく回答しました。
以下は厚さ0.8mm未満で色素が非常に少ない「浸潤性メラノーマ」と呼ばれるもの。GPT-6 Astraは95%の確信度で「基底細胞がん」と回答した一方、Claude Fable 5.1とInception v3はメラノーマと回答しました。
以下は脚にできた脂漏性角化症。2つのAIモデルは日光角化症と、Inception v3は扁平上皮がんと診断しましたが、いずれも誤りでした。
また、モデルによって見分けが得意な病変も違っていたようです。例えばメラノーマについては、Inception v3が30件中13件を正しく特定したのに対し、GPT-6 Astraは8件、Claude Fable 5.1は11件でした。最も大きな差が見られたのは無害な病変で、Inception v3は50個の母斑のうち37個、50個の脂漏性角化症のうち26個を認識した一方、GPT-6 Astraはそれぞれ16個と13個、Claude Fable 5.1は33個と6個でした。
なお、それぞれのモデルに第2候補まで答えさせたところ、Inception v3は173例、GPT-6 Astraは134例、Claude Fable 5.1は138例で正解していたそうです。
リンチ氏は「古く、小型で、時代遅れのアーキテクチャを使用した特化型ネットワークは、2つの最先端モデルよりもはるかに優れた皮膚病変の認識能力を備えています」とまとめつつ、Inception v3以外は汎用モデルであり、ファインチューニングもなかったことがハンデとなっていたため、「最先端の皮膚がん診断AIは、多くのデータで学習された画像変換アルゴリズムを使用しているため、はるかに優れた性能を発揮します」と補足しました。
KioskNews shows a cleaned-up reading view extracted from the publisher’s page — the original always lives on their site, not ours.



