意思疎通、残った宿題 問われる大谷への向き合い方―米大リーグ・二刀流の行方(上)
リーグ優勝決定シリーズ第1戦の前日、打撃練習に参加したドジャースの大谷=10日、ミルウォーキー
【ロサンゼルス時事】米大リーグのドジャースはプレーオフのナ・リーグ優勝決定シリーズで敗退し、今季を終えた。大谷翔平は3年ぶりに開幕から投打の二刀流でプレーしたが、夏場から故障にも悩まされて終盤は低迷。ワールドシリーズ3連覇の目標にも届かなかった。不本意なシーズンとなった大谷とドジャースを振り返り、今後の行方を探る。
ドジャース、4連敗で敗退 大谷3ランも空砲、ブルワーズV―米大リーグ
◇不完全燃焼だった二刀流
9月9日、ドジャースの大谷の名前は先発メンバーの中になかった。その日の試合後に負傷者リスト(IL)入りが決定。前日にスタメンを外れた大谷について、ロバーツ監督は「ラインアップに戻る」と明言していたが、状況は一変した。
その背景には、球団が把握していなかった異変がある。大谷は7日の試合でスイングした際に右腕に違和感を覚えていたものの、トレーニングスタッフに伝えたのは8日の試合後だった。球団はこの一件を受け、問題があればすぐに知らせるよう大谷に求めたという。
フリードマン編成本部長は大谷とのコミュニケーションについて、「素晴らしかった」としつつ、コンディションの情報共有という点では「それほどでもなかった」と認める。大谷が症状を深刻に受け止めず、試合に出続けることがチームのためになると考えていたとの見方も示した。
大谷の姿勢は一貫している。「状態が良い悪いではなく、試合に出るということが自分の最低限の仕事の一つ」。ポストシーズンを見据え、最終的にはIL入りが最善との方向で球団と一致したが、互いの認識をどうすり合わせるかという問題が浮き彫りになった。
強い責任感を持つ大谷の意向を全面的に受け入れ、状態が良くない中で出場を続けたことが、結果的に長期の不振につながった面はなかったか。本人が「出られる」と感じても、時に歯止めをかけることも必要だろう。チームの大黒柱で発言力がある大谷と球団はどう向き合うか。今後の宿題として残った。
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