勤務間インターバル、定着せず 導入6.9%、義務化が焦点に
【図解】
政府が検討する労働時間規制の見直しを巡り、終業から翌日の始業までの間に一定の休息時間を設ける「勤務間インターバル」義務化の是非が焦点となっている。現在は努力義務にとどまり、企業の導入率は6.9%にすぎない。労働組合は導入促進へ義務化を求める一方、経済界は事業活動に支障が生じかねないと反対しており、意見の隔たりは大きい。
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盛岡市のビールメーカー、ベアレン醸造所は、終業から次の始業までに「11時間」の休息時間を確保すると就業規則に明記。夜11時まで残業した場合、翌日の始業は午前10時と通常より1時間程度遅らせ「(長時間労働に)ブレーキ」(嶌田洋一社長)をかけている。
実際に始業時間の繰り下げが必要になるほど残業するケースは少ないものの、イベント開催で深夜勤務が発生する場合などに備えて導入した。嶌田社長は「(誰かが休むと)仕事が回らないという事態にならないよう、業務の共有化などを進めるきっかけにもなった」と手応えを示す。
勤務間インターバルの導入は、過重労働防止のため2019年に施行した改正労働時間等設定改善法で事業主の努力義務となった。政府は導入企業を28年までに15%以上とする目標を掲げるが、25年は6.9%にとどまる。インターバル時間に法律の定めはなく、24年実施の調査では「11~12時間未満」(35.8%)「9~10時間未満」(24.8%)が多い。
欧州では義務化が進み、英国やフランス、ドイツでは11時間の休息を与えるよう規定。違反した場合の罰則もある。
今月14日に開かれた労働政策審議会(厚生労働相の諮問機関)分科会では、労働者側の委員が「(導入促進には)全労働者を対象に一段上の制度が必要」と義務化を主張。インターバルは原則11時間以上とし、実効性確保へ罰則も必要だとした。
一方、経営者側の委員は、先行導入企業では、業務実態に応じて多様な例外規定が設けられていると説明。画一的な義務付けは事業運営に支障を生じさせかねないとして「制度のあり方は各社の労使判断に委ねるべきだ」と訴えた。
横浜国立大の石崎由希子教授(労働法)は、インターバル時間について「生活時間を確保するには11時間でも短いケースがある」と指摘。その上で「政策的には『11時間以上の設定』も含めて導入を促していくのが望ましい」と話している。
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