筋トレは「体重が減る前」から脂肪細胞を縮小させて健康にメリットをもたらす可能性
そこでブラジルのカンピーナス州立大学の研究チームは、マウスを用いて「筋力トレーニングは体重が減少する前から脂肪に変化をもたらすのかどうか」を調べました。論文の共著者であり、カンピーナス州立大学のスポーツ医学者であるレアンドロ・モウラ准教授は、「体重を一定に保って体内で何が起こるかを観察できれば、減量前に運動がどのような効果をもたらしたかを直接的に特定できます」と述べています。
実験ではオスのマウスを2つのグループに分け、一方のグループには標準的な食事を与え、もう一方のグループには肥満を誘発する高脂肪食を与えました。そして肥満になったグループはさらに「運動をしないグループ(対照群)」と「筋力トレーニングを行うグループ(実験群)」に分けられました。筋力トレーニング中も高脂肪食が与えられ続けたため、対照群と実験群の違いは筋力トレーニングの有無のみでした。
実験群のマウスは人間の筋力トレーニングをシミュレートするため、尻尾に重りを着けた状態で70cmのはしごを登らされました。1回登り切った後に60~90秒の休憩をした後、再びはしごを登らされるトレーニングを20回繰り返すのが1セッションでした。各セッションはマウスが発揮できる最大能力の70%の負荷で行われ、マウスは1週間にわたりトレーニングを続けました。
実験の様子を撮影した写真が以下。マウスの尻尾には重りが着けられ、研究者に追い立てられることではしごを登ったとのこと。モウラ氏は、「各マウスがはしごを登る際にどれだけの重さを運べるのかを計算しました。もちろん人間が行う筋力トレーニングを完全に再現することは不可能ですが、より強い収縮を伴う同様の努力を体に引き起こすことができ、人間の筋力トレーニングを効果的に模倣できました」と説明しています。
実験期間中、マウスの体重に変化はみられませんでしたが、研究チームは体重に変化が起きる前に脂肪細胞や関連するメカニズムについて分析しました。今回の分析では、内臓脂肪の代表的な一例であり、小腸を支える腸間膜に付着する「腸間膜脂肪組織」に着目しました。内臓脂肪が過剰に蓄積すると炎症性物質が血液に放出され、全身の代謝を変化させることから、皮下脂肪よりも健康にとって有害であるとされています。
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