高齢者、ペットといつまでも 同居施設、死後もお世話―在宅飼育支援の活動も
高齢者にとってペットは家族同然の存在で、心の支えとしての役割も大きい。一方、病気や死亡などで世話ができなくなる不安はつきまとう。こうした中、高齢者とペットが一緒に暮らせる施設が運営されているほか、在宅での飼育を支える活動も行われている。
犬猫の保護依頼「増えた」半数 背景に飼い主高齢化―民間の120団体に調査
2012年開設の特別養護老人ホーム「さくらの里山科」(神奈川県横須賀市)では、入居者が犬や猫と共に生活できる。全国的にも珍しい取り組みといい、現在は飼い主と入居したり愛護団体から受け入れたりした犬猫計13頭が入居者40人と暮らす。犬や猫と暮らせる専用エリアは5、6年前から空きが出てもすぐに埋まる状態という。飼い主の死後もペットがそのまま暮らし続けられるのも特長だ。
猫専用エリアに5年前に入居した草刈薫さん(92)は、雄猫の「プリン」(12)を優しくなでながら「いつもベッドにいてくれる。長いこと一緒に過ごしているから近くにいると安心する」と笑顔を見せた。飼い猫のプリンと暮らし続けたいという希望をかなえるため親族が施設を探し、同居が実現した。
施設を運営する社会福祉法人の理事で、開設に携わった若山三千彦施設長(61)は「入居者と犬や猫が幸せそうに寝ているのを見ると、本当にやって良かったと思う」と語る。
散歩や餌やり、飼育場所の掃除などを代行する市民グループ「どうぶつがかり」(新潟市)は、高齢者には割引料金でペットシッターを派遣している。同市などの自治体と連携しており、介護現場のケアマネジャーを通じて「ペットを飼いきれていない」と連絡を受けると、病院や社会福祉協議会の関係者らを交えた話し合いの場を設けることもあるという。
代表の三浦真美さん(62)は「ペットと一緒にいたいとして入院や施設入居を拒む人もいるほか、不適切な飼育で死んでしまったペットもいる」と実情を明かす。その上で、高齢者とペット双方の見守りが必要だと強調した。
人と動物の関係に詳しい横浜国立大の安野舞子准教授は「高齢者福祉と動物福祉の両現場が連携することが大事だ。飼い主は、自身で十分な飼育ができなくなった場合の対応を事前に考えておくべきだ」と訴えている。
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