男性はおしっこする時に立った方がいいのかそれとも座った方がいいのか?
多くの男性は「立って排尿するべきなのか、それとも座って排尿するべきなのか」と考えたことがあるはず。この疑問を科学的な観点から調べるため、排尿する時の姿勢によって尿の勢いや総量がどのように変化するのかを実験で比べた結果が報告されています。
Standing or Sitting to Void? Comparative Uroflowmetry in Healthy Male Volunteers: A Randomized Crossover Study with Equivalence Analysis - Iregui‐Parra - Neurourology and Urodynamics - Wiley Online Library
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/nau.70485
Does It Matter if Men Pee Sitting or Standing? A Randomized Test Has an Answer : ScienceAlert
https://www.sciencealert.com/does-it-matter-if-men-pee-sitting-or-standing-a-randomized-test-has-an-answer
一般的な男性用公衆トイレでは、小便器は立って排尿するように設計されていますが、自宅の洋式便座では座って排尿するという男性も少なくありません。日本排尿機能学会が2023年、日本全国の男性を対象に排尿時の姿勢を調査したところ、20~90代の男性のうち56%が自宅では座って排尿していることがわかりました。
年代別に見ると20代が69%、30代が66%、40代が57%、50代が54%、60代が52%、70代が50%、80代が47%、90代が37%となっており、若い人ほど座って排尿する傾向がみられます。さらに、20~30代では結婚している男性だと座って排尿する割合が75%だったのに対し、未婚男性では62%にとどまるなど、結婚している人は立って排尿した時の汚れに気を遣っている可能性が示唆されています。
海外の調査では国によって結果は異なり、立って排尿する人の割合はドイツだと62%、アメリカだと23%、カナダだと35%、オーストラリアだと39%といった結果になりました。依然として一部の国では、男性が座って排尿することに対する偏見が残っているそうです。
また、排尿する時の姿勢は尿の勢いや総量に影響するとの説もあります。たとえば2014年の研究では、前立腺肥大症やその他の排尿障害がある男性では、立った姿勢より座った姿勢の方が骨盤底筋が弛緩し、残尿が少なくなることが示唆されました。一方で別の研究では、50歳以下の男性では座った姿勢で排尿することが、排尿後の尿漏れと関連していることが示唆されています。
コロンビア泌尿器科研究グループの科学者らが主導した新たな研究では、18~39歳の健康な男性被験者52人を対象に、立った状態と座った状態での排尿について詳しくモニタリングしました。被験者は「最初に座った状態で排尿し、その後に立った状態で排尿するグループ」と「最初に立った状態で排尿し、その後に座った状態で排尿するグループ」にランダムで割り当てられ、各姿勢ごとに24時間の間隔を空けて排尿しました。
研究チームが測定したのは、1回の排尿中における「最大尿流量(ピーク時に尿がどれほど速く排出されるのか)」と「排出した尿の総量」です。姿勢によってこれらの数値がどう変化するのかが比較され、姿勢による排尿への影響が調べられたとのこと。
実験の結果、座っている状態と立っている状態では、最大尿流量や排出した尿の総量に有意な変化はみられませんでした。唯一の違いは、座った姿勢の方がわずかに最大尿流量に達するまでの時間が短いという点でしたが、これは少数の外れ値による部分が大きく、臨床的に意味がある差ではなかったと報告されています。
研究チームは「健康な若い男性では、排尿姿勢によって最大尿流量や排尿量に統計的に有意な差は生じません」と結論付けています。しかし、座って排尿するよりも立って排尿した方が尿が飛び散りやすいため、衛生面や家族の気持ちなどを考えると、座って排尿した方がいいのは確かです。
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