女性支持減「期待感が失望に」 申お茶の水大教授―高市政権1年
お茶の水女子大学ジェンダー研究所の申※榮(王ヘンに其)教授(本人提供)
高市早苗氏が女性初の首相に就任して21日で1年が経過した。時事通信の世論調査を見ると、女性の内閣支持率が発足当初の65.9%から42.9%へ大きく落ち込んだ。女性の政治参画に詳しいお茶の水女子大ジェンダー研究所の申※榮(王ヘンに其)教授(比較政治学)に、その背景を聞いた。
―最近の支持率は下落傾向だ。
就任時の内閣支持率は60%を超える高い水準だったが、2月の衆院選以降、徐々に下落し現在は40%ほどだ。当初は男性を上回っていた女性の支持率が減少したことが、全体の支持率にも影響している。
女性や若者など自民党を積極的に支持していなかった層も首相が女性であることや党の顔触れが変わったことで高い期待感を持っていたが、現在は失望に変わったのではないか。党内にも野党にも他に支持できる人はいないのが現状で、首相への支持は消極的な性格を持つようになってきた。
―女性の支持が減少した理由は。
女性に関する政策を進めてほしいという期待があったが、目立った前進はなかった。首相が進める旧姓使用拡大は不便の解消につながるかは疑問で、女性のアイデンティティーの問題解決にもならない。女性たちの希望とはかけ離れたもので、選択的夫婦別姓制度の導入を阻止する結果になるだろう。保守的な支持基盤に対するアピールだ。
売春防止法の処罰対象を「買春」に広げる法改正の検討が進んでいるが、規制強化だけでは問題解決につながらない。「売る側」の非処罰化と支援の強化を進め、そうせざるを得ない環境に置かれる女性の立場に立った政策を進めるべきだ。
―女性閣僚は2人だけだ。
首相は北欧諸国並みに女性閣僚を起用すると発言していたが、逆行する結果になっている。党内基盤が弱いと言われていたが、2月の衆院選で自民党が大勝したことを考えれば、女性を多数起用すると強く打ち出せば十分できたはずだ。実際はそれほど関心がなかったのではないか。
女性閣僚を増やすには女性議員を増やす必要がある。現在、政権が進める衆院議員の定数削減法案が成立すれば女性議員がさらに減る恐れがある。
―首相に何を求めるか。
女性首相の誕生に期待し、熱く支持していた女性の声にもっと耳を傾けてほしい。一人ひとりが抱える生活の困難や貧困、生きづらさは、耳を傾ければ聞こえてくるはずだ。
![]()
KioskNews shows a cleaned-up reading view extracted from the publisher’s page — the original always lives on their site, not ours.
